糖尿病と食事
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胃腸病と食事の関係
管理栄養士 鈴木久美子の「健康の泉」



糖尿病は インスリンの作用不足によっておこる代謝障害による疾患です。

食糧不足が問題となっていた第二次大戦直後には ごくわずかでしたが 最近では成人の7人に1人が糖尿病(糖尿病予備軍も含む)と言われるようになっています。

糖尿病は 遺伝的との関係が大きいのですが それに食糧事情や運動不足・ストレスなどの環境要因が関与しているおこる疾患と考えられています。

現在のように 糖尿病が増加したことは 食生活の変化や運動不足が深く関わっていることが見逃せません。
食生活の中でも 動物性脂肪・油脂類・砂糖や果物の摂取量が増加し穀類・豆類・芋類などが減少したことなどが 糖尿病を招く大きな要因のひとつです。

また 糖尿病と肥満との関係は深く 成人の糖尿病の8割が肥満をかかえています。
運動や食生活の改善によって 肥満を予防することも 糖尿病には重要なことです。

糖尿病は大きく分けると2つのタイプに分類されます
I 型ーインスリン依存型糖尿病
II 型ーインスリン非依存性糖尿病

インスリンというのは 膵臓から分泌されるホルモンで 血液中のブドウ糖(血糖)を細胞がエネルギーとして利用するときに働きます。

インスリンの量が不足したり作用が十分ではなかったりすると 細胞がエネルギーを有効に利用することができないので 体のあらゆる臓器に重大な悪影響を及ぼします。

インスリンがうまく作用しないと利用されないブドウ糖が 血液中に停滞し そのブドウ糖が一定量以上になると腎臓から尿に漏れて「糖尿病」といわれるわけです。

I 型ーインスリン依存型糖尿病とは主として膵臓から分泌されるインスリンの絶対量が不足して起こる糖尿病で外からインスリン補給を必要とします。

II 型ーインスリン非依存型糖尿病は分泌されるインスリンの量は必ずしも少なくはないのに なんらかの原因で十分に作用しないために起こる糖尿病で 多くはII 型の糖尿病です。

どちらのタイプも 食事療法が重要で 食事と運動によるコントロールをしっかりおこなうことが必要です。

<食生活の3 原則>
適正なエネルギー量を守る

私たちが生命を維持していくために あるいは活動していくために 一日にどれだけのエネルギーが必要かということは その人の体形や活動量によって違ってきます。

余分なカロリーを摂りすぎると 体内に脂肪となって貯えられ 肥満の状態を招きます。
エネルギーは摂りすぎても 不足しすぎても 健康や活動力に影響します。
正しいエネルギー量の摂取を守りましょう。

糖尿病の人が食事療法をおこなう場合 摂取エネルギーは その人の検査データや身体・年齢・活動強度などから 医師が指示するエネルギー量です。(3大栄養素のページを参考に)

バランスのとれた食事を!
バランスの摂れた食事とは糖質・蛋白質・脂質・ビタミン・ミネラル・食物繊維を欠かすことなく摂取することです。
糖質・蛋白質・脂質は 私たちが活動していく源となる栄養素です。

またそれらを 体の中に取り込んだり 体の働きを円滑におこなうためにはビタミン・ミネラルが欠かせません。
それらの栄養素をまんべんなく摂取するように心掛けましょう。

それに加えて 食物繊維を摂ることは 食後の血糖値が急激に上昇することを防いでくれる働きがあり 合併症の予防に繋がります。
食事の度に摂取を心掛けましょう。

また 合併症である動脈硬化を予防するために 動物性の脂肪を制限し 植物性脂肪や魚油を摂ることも必要です。
最近は糖尿病から来る腎臓障害がふえてきています。
腎臓への負担を軽くするためにも 蛋白質ばかりに片寄りすぎる食事は なくしたいものです。

規則正しく摂る
食事の時間が不規則でしたり、食事の回数が少なくなると体内に脂肪として貯えようとする働きがつよくなってしまいます。

また「まとめ食い」をすると インスリンの必要量を増やしてしまいます。
それに加え 朝食は一日の活動の源となる食事で 脳の働きを円滑にするためにも大切な食事です。
朝食・昼食・夕食は 規則正しく摂るようにしましょう。

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