心臓病と食事の関係
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胃腸病と食事の関係
管理栄養士 鈴木久美子の「健康の泉」



高血圧と食事


血圧は 心臓が毎回の収縮で送り出す血液の量と 血液が流れる末梢血管の抵抗によって決まります
何かの原因で 血液の量が増えたり 末梢血管の抵抗が強くなると 血圧が上昇します
高血圧は進行すると 日本人の死因の2・3位を占める心臓病や脳卒中を引きおこす最も大きな原因となります!

★高血圧を予防するためには!
� 食べ過ぎをさけ・肥満を防ぐ
� 一日の塩分摂取量を減らす(塩分10g未満に)
� 適度な運動を!
� アルコールは控えめにする
� ストレスを出来るだけ解消する
� 定期的に血圧を測る
� 禁煙

食事で高血圧予防!
★減塩に心掛ける★
高血圧と塩分との関係が深いことは 良く知られていることですが どうして食塩の摂取量が増すと 血圧が上昇するかについては 十分には解っていないようです。

一般的にいわれることは・・・・ 細胞の内部にはカリウムが 外にはナトリウムが多く存在していて その濃度は常に一定に保たれるように ナトリウムポンプという調節機能が働いています。

このポンプは 余分なナトリウムが入り込むと 外へ放出し 同時にカリウムを取り込み バランスをとっています。
ナトリウムを多く摂ることが続くと このポンプの働きも弱くなり 次第に細胞内のナトリウム濃度が上昇し するとそこに水が取り込まれて血管壁に浮腫がおこり 血管の壁は膨張し 内部が狭くなり 血圧が上昇します。
また 血管収縮ホルモン(カテコールアミン)に ナトリウムの溜まった血管が敏感になってしまうとも考えられています。

高血圧の人は 水とナトリウムの排泄能力が低くなり 血圧を上げないと正常に排泄できないとも言われています。
普段から 塩分を少なく摂るようにして このような状態を防ぐことが必要です。

また 交感神経も塩分との関係があります。交感神経が興奮すると 副腎皮質からノルアドレナリンやアドレナリンというホルモンが出され これが血圧上昇に作用を持っています。

交感神経の興奮によって 腎臓でのナトリウムの排泄が低下して 血液中のナトリウムが増えていくことになります。 それによって血圧が上昇するのです。

交感神経の興奮状態は ストレスなどが原因となることも多いので ストレスをなくす生活習慣も考えましょう。
最近は 高血圧の中でも 食塩に対して 感受性の強い人と そうでもない人がいることは明らかにされていますが 日常の食生活の中での塩分量は できるだけ減らすように心掛けましょう!

<薄味のコツ10>
� 食品の持ち味をいかす

食塩の量が多いと 素材独自の持ち味が損なわれてしまいます
風味を活かすためにも 減塩を・・・・

だしで味付けを!
昆布や かつお節・椎茸など天然のだしのうま味を上手に使うことによって 塩や醤油など塩分の多い調味料が少なくてもおいしく食べることができます。

 香味野菜の味でアクセント!
三つ葉・シソ・ショウガ・ねぎ・セロリ・にんにく・キノコ類などの香味野菜を使うと塩味が薄くても食べられます。

�酸味を利用して!
ユズ・レモン・スダチ・ダイダイなどの酸味や酢を使うと薄味でもおいしく食べられます
� 和え物のゴマやクルミを使う
ゴマ・クルミ・ピーナッツで和えると 香ばしさが出て少ない塩味で食べられます
� 油(特に植物油)を上手に使う
油料理は 塩味があまりなくても食べられます
� 香辛料を効かせる
カレー粉・ワサビ・胡椒・からし・ハーブなどを利用すると塩をたくさん使わなくても食べられます
� 割り醤油を使う
醤油をだし汁で2倍くらいに薄めて ”割り醤油”を作っておき お浸しや焼き物にかけて使うと
以外と満足できる塩味で食べられます 減塩醤油と同じ 1/2の塩分量の醤油となるのです
� ソースやケチャップを使う
ソースやケチャップは醤油の半分以下の塩分量ですみます
� 塩味は重点的に使う
どれも薄味だと満足感がでませんので一品に集中して使うとよいでしょう。

★内臓脂肪型肥満を防止する★
高血圧の大きな危険因子として 肥満があります。肥満の中でも皮下脂肪蓄積型肥満より 内臓脂肪型肥満の方が 高血圧に対して影響が大きいということが言われています。

食べ過ぎや 運動不足などによって内臓脂肪型肥満がおきると 血中の遊離脂肪酸値が上昇し 肝臓での脂質代謝異常をもたらします。

同時に 血中遊離脂肪酸が上がるために 肝細胞でのインスリン抵抗性(インスリンの働きの低下)を招き 糖尿病や高血圧をもたらすのです。

また 内臓型肥満の人は 糖尿病を潜在的に持っていたり 血液中の中性脂肪やコレステロールが多くなって高脂血症であったりすることも多くこれらは高血圧ばかりでなく動脈硬化も促進します。

そのため 高血圧から心臓病などの臓器障害の発症度も高めてしまいます。
肥満を伴う高血圧は 適度な運動や 摂取エネルギー量を減らすことによって減量をすることが必要です。

★蛋白質を適量摂る★
蛋白質を多く摂っている地域では 塩分の摂取量が多少多くても高血圧や脳卒中の発症が少ないことがわかっています。

特に その中でも メチオニンやタウリンを含む含硫アミノ酸との関係が深いと言われています。
高血圧の予防のためには 普段から魚・肉・卵・大豆製品・乳製品の蛋白質を偏りなく 適度に摂ることが大切です。

★カリウム・カルシウム・マグネシウムを十分摂る★
食品からの ナトリウムの量が増加しても カリウムを同時に多く摂取することによって 食塩による血圧上昇作用が抑制されることがわかっていま
す。
野菜や果物・豆類・芋類・海藻類などを 上手に取り入れていくようにしましょう。
またカルシウムの摂取量が少ないほど 高血圧の発症が多くなっていることも知られています。
カルシウムは 必要量をなかなか充足できないミネラルのひとつです。 乳製品・小魚・海藻などを 摂取する事も忘れずに!
マグネシウムはカルシウムが細胞内に取り込まれることを抑制する働きをし 血圧上昇を防ぎます。

★不飽和脂肪酸を多く摂る★
飽和脂肪酸を摂りすぎると ある程度 血圧が上昇しやすくなり 逆に不飽和脂肪酸を多く摂ると血圧の低下作用がみられると言われています。
またその中でも 多価不飽和脂肪酸の 魚油やリノール酸を摂ると血管の拡張に効果があり 高血圧の防止になることが解っています。
これらの油は 動脈硬化の予防にも効果があり 魚油は 血栓予防にも役立ちます。 動物性の油ばかりでなく 植物性の油や魚油も摂るよう心掛けて下さい。

★食物繊維を摂る★
食物繊維の中でも 海藻に含まれるアルギン酸という水溶性の食物繊維を多く摂っている地域では血圧上昇がみられないことから 水溶性食物繊維が 血圧上昇を防止する効果があるといわれています。
果物や海藻類に含まれる 水溶性の繊維を 適度に摂るようにしましょう。

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