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人間の体は、14~19%がたんぱく質でできています。これは 水分に次いで多い量です。
たんぱく質は、消化によってアミノ酸に分解され小腸から吸収されて体の各組織のたんぱく質に合成されて 細胞の主な成分となります。
体の中では、筋肉・皮膚・毛・赤血球・心臓・胃腸などの臓器、そして体のバランスを保つホルモンや化学反応を助ける酵素、抵抗力をつける免疫体がたんぱく質で構成され、私たちの体は蛋白質で出来ているといえます。
また、たんぱく質は1gあたり 約4kcal のエネルギーをつくります。しかし たんぱく質からエネルギーを得ようとすると、本来のたんぱく質の働きができなくなるので、たんぱく質は、糖質・脂質と一緒に摂ることも大切です。
たんぱく質の摂取量が多すぎると 、内では糖質・脂肪として貯えられます。
たんぱく質は、約20種類のアミノ酸という基本単位から成り立っています。
アミノ酸の中でも体内では合成されないために食品から取り込まなければいけないものがあり、これを「必須アミノ酸」と呼びます。
必須アミノ酸は、イソロイシン・ロイシン・リジン・メチオニン・フェニールアラニン・スレオニン・トリプトファン・バリン・ヒスチジンの9種類です。
これら 必須アミノ酸を摂るためには、たんぱく質の多い食品をバランスよく適度に摂取していく必要があります。
細胞は、常に新しく作り替えられているので食べ物からたんぱく質を供給し、アミノ酸を補給します。
わたしたちは、 肉や魚・御飯・芋類・果物・野菜など、たくさんの食品からたんぱく質を摂っています。
食品の中のたんぱく質量は、それぞれ異なり肉・魚介類・卵・大豆製品・乳製品などは、たんぱく質量が比較的多いのでたんぱく質食品と呼ばれています。
普段の食事では、動物性たんぱく食品と植物性たんぱく質食品をうまく組み合わせながら、それぞれの欠けているアミノ酸を補うようにしながら摂ることも必要です。
<食品のアミノ酸スコア>
100点 |
牛乳・母乳・豚肉・牛肉・鶏肉・鶏卵・イワシ・サケ |
80点台 |
アサリ・エビ・大豆 |
70点台 |
イカ |
60点台 |
精白米・ジャガイモ |
一般的には、動物性のたんぱく食品の方が植物性たんぱく食品より高く位置しています。
細胞は、常に古いものから新しいものへ入れ替わっているために、次から次とたんぱく質を補ってやらなければなりません。
たんぱく質の一日の必要量は、体重1kg 当たり1.0~1.2g くらいで、体重が60kg の人だと60g~72g 必要ということになります。
これは、御飯や芋類・野菜・果物を適量摂った上で、たんぱく質食品の魚介類一切れ+肉類80gくらい+卵一個+豆腐1/2 丁(または納豆小1個)+牛乳200cc
を、一日の中で摂るようにすれば良い量です。
たんぱく質の不足は、成長阻害・下痢・むくみ・食欲不振・疲労・貧血・精神障害などの全身障害が出てきます。
ひどくなると、抜け毛・皮膚障害・生理が止まるなどの症状が出ると言われています。ですから、たんぱく質を十分にとることは大切です。
しかし、たんぱく質を摂りすぎると腎臓への負担が大きくなったり、カルシウムの尿中排泄量が増加して骨粗鬆症の心配が出てきたりします。
それに、動物性のたんぱく質食品には動物性の脂肪やプリン体も多く含まれていて、動物性脂肪の摂りすぎは高脂血症へと繋がりますし、プリン体の摂りすぎは痛風の誘因にもなりますので、おかずとしては野菜類などを一緒に取り入れてバランスと量を考慮して食べるようにしたいものです。
食品の100g中に含まれるたんぱく質量
食品名 |
たんぱく質量(g) |
食品名 |
たんぱく質量(g) |
卵 |
12.3 |
かき |
6.6 |
木綿豆腐 |
6.6 |
いか |
17.6 |
納豆 |
16.5 |
あさり |
6.0 |
大豆 |
35.3 |
かつお(春) |
25.8 |
牛乳 |
3.3 |
かれい |
19.6 |
プロセスチーズ |
22.7 |
鮭 |
22.3 |
牛腿 |
18.9 |
たら |
18.1 |
鶏手羽 |
17.5 |
かまぼこ |
12.0 |
鶏胸肉 |
19.5 |
たこ |
16.4 |
豚腿 |
21.5 |
車海老 |
21.6 |
<たんぱく質の食事摂取基準>
資料<2005年版 日本人の食事摂取基準」より>
年齢 |
男 性 |
女 性 |
推定平均必要量
(g/日) |
推奨量
(g/日) |
目安量
(g/日) |
目標量
(g/日) |
推定平均必要量
(g/日) |
推奨量
(g/日) |
目安量
(g/日) |
目標量
(g/日) |
0~5月母乳 |
- |
- |
10 |
- |
- |
- |
10 |
- |
人工乳 |
- |
- |
15 |
- |
- |
- |
15 |
- |
6~11月母乳 |
- |
- |
15 |
- |
- |
- |
15 |
- |
人工乳 |
- |
- |
20 |
- |
- |
- |
20 |
- |
1~2 |
15 |
20 |
- |
- |
15 |
20 |
- |
- |
3~5 |
20 |
25 |
- |
- |
20 |
25 |
- |
- |
6~7 |
30 |
35 |
- |
- |
25 |
30 |
- |
- |
8~9 |
30 |
40 |
- |
- |
30 |
40 |
- |
- |
10~11 |
40 |
50 |
- |
- |
40 |
50 |
- |
- |
12~14 |
50 |
60 |
- |
- |
45 |
55 |
- |
- |
15~17 |
50 |
65 |
- |
- |
40 |
50 |
- |
- |
18~29 |
50 |
60 |
- |
20未満 |
40 |
50 |
- |
20未満 |
30~49 |
50 |
60 |
- |
20未満 |
40 |
50 |
- |
20未満 |
50~69 |
50 |
60 |
- |
20未満 |
40 |
50 |
- |
20未満 |
70以上 |
50 |
60 |
- |
20未満 |
40 |
50 |
- |
20未満 |
妊婦(付加) |
- |
- |
- |
- |
+8 |
+10 |
- |
- |
授乳婦(付加) |
- |
- |
- |
- |
+10 |
+20 |
- |
- |
|
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