3大栄養素とエネルギー・炭水化物
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胃腸病と食事の関係
管理栄養士 鈴木久美子の「健康の泉」  



炭水化物 は、最も大切なエネルギー源で1 g 当たり約4 kcal のエネルギーを発生します。

糖質は、消化によってブドウ糖などの単糖類に分解され、小腸で吸収されて肝臓で グリコーゲン(エネルギーの貯蔵庫)として肝臓に貯えられ、使われる分はブドウ糖として血液中に入ります。

空腹時や運動時には、血液中のブドウ糖だけではエネルギー源として不足するので、肝臓に貯えられたグリコーゲンが分解されて血糖値を一定に保ちます。

糖質は摂りすぎると、脂肪として体内に貯えられるため肥満の原因のように言われますが、糖質は血糖値を一定に保つために、大切な働きをしています。

また、脳・中枢神経系・血球などは、ブドウ糖以外からエネルギーを得ることができません。

脳は、一分間に約100mgの割合で、ブドウ糖を絶え間なく消費していると言われます。 一日にすると、 144gの割合でブドウ糖を必要とするわけです。

血球も、一分間に約25mg、一日に36g必要と言われているのです。
つまり 一日に少なくとも 180gのブドウ糖がないと 脳や血球などは生きていけないことになります。

もし、食事をしないで糖の補給が途絶えると、しばらくの間は肝臓のグリコーゲンを分解してブドウ糖にして補いますが、およそ10時間で貯えがなくなり、その後 筋肉の蛋白質を分解しブドウ糖に替えて補います。 このように、糖質は私たちの体になくてはならない栄養素です。

糖質はほとんどの食品に含まれています。

たとえば、御飯・パン・麺類・などの主食や芋類・豆類・果物。牛乳にも野菜にも含まれます。

糖質と言っても、いろいろな種類があり最も簡単な構造を持つものは単糖類と呼ばれブドウ糖や果糖があります。
単糖類が2個結合した物を二糖類といいます。 蔗糖・麦芽糖・乳糖がこれに入ります。

さらに、たくさんの単糖類が繋がったものが多糖類と呼ばれこれにはでんぶんがあります。

砂糖(蔗糖)は、単糖類のブドウ糖と果糖が結合したもので、牛乳に含まれる乳糖は、ブドウ糖とガラクトース(単糖類の一種)が結合したものです。 麦芽糖は 2個のブドウ糖が結合してできています。

糖質は、口から体内に取り込まれると唾液中の消化液アミラーゼによって加水分解されますが、それが胃を通過するまでにでんぶんの3/4が消化され、消化酵素によって分解され小腸で吸収されます。

体内においては できるだけ単鎖が短いほど 吸収が速くなりますまた、澱粉でも細かくされるほど吸収は速く、血糖値の上昇も速くなります。(ごはんより小麦でできたパンや麺類の方が吸収は速い)

貯えられているグリコーゲンは肝臓で100gくらい、筋肉でも250gくらいとわずかです。

また、ごはんやパンなどのでんぷん(複合糖質)としてではなく、ジュースや菓子や果物といった単純糖質の形で摂り過ぎると、吸収が速くなりそれによって血糖値の上昇も速くなりますが、こういった摂取の仕方は、糖代謝異常(糖尿病)を招いたりそれを合併症へ導いたりすることに繋がります。

また 、これらは血液中の中性脂肪の上昇を促したり、脂肪肝などの原因になったりもするので、ジュースや菓子の摂りすぎには禁物です。

過度な労働やスポーツなどで糖質が今すぐ必要な場合や、低血糖状態では即効性のある糖質として砂糖や果物の糖分が有効ですが、日常は、ごはんなどの澱粉として摂取し血糖値をゆっくり上昇させ生活習慣から来る糖尿病や高脂血症を予防することが望ましいと考えられます。

食品名 炭水化物量(g) 食品名 炭水化物量(g)
ごはん 37.1 食パン 46.7
うどん 56.8 生そば 54.5
ジャガイモ 17.6 さつまいも 31.5
トウモロコシ 70.6 アイスクリーム 23.2
牛乳 4.8 カボチャ 20.6
15.9 グレープフルーツ 9.6
西瓜 9.5 バナナ 22.5
アンパン 50.2 ケーキ 47.1
オレンジジュース 10.6 コーラ 11.4




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