3大栄養素 ビタミン
健康と栄養のバランスを考えて 豊な人生を送り続けるために必要な知識がいっぱい詰まったサイトです 
                       
胃腸病と食事の関係
管理栄養士 鈴木久美子の「健康の泉」  



ビタミンは 微量で体の生理機能を調節し、代謝を円滑にする働きをしています。

ビタミンの種類は多く、現在解っているだけでも20種類以上が発見されています。

ビタミンは体内では合成されないため、食品として摂取しなければなりません。

その上、微量で体内で働くことや相互に助け合って働きを強化していることも多いので、普段から複数の食品を摂ることや、バランス良く摂るように心掛けることが必要です。

ビタミンの働きは、無駄なく摂ることによって不足による欠乏症を防ぎ多めに摂ることによって生活習慣病の予防に役立ちます。

ビタミンは脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに分類されます。

脂溶性 A・D・E・K
水溶性 B系・C

★脂溶性ビタミン
 <ビタミンA>

ビタミンAには、動物性食品に含まれる「レチノール」と緑黄色野菜に含まれ体内でビタミンAに変わる「β-カロチン」があります。

ビタミンAを摂ることによって、皮膚や粘膜を強めることができます。

また、視覚を正常に保ち眼の病気を予防する働きがあります。

不足すると、粘膜の抵抗が弱まり風邪などの感染症にかかりやすくなります。

さらに癌と戦うリンパ細胞(免疫細胞)の働きを強化する働きを持っていて、がんの予防に働きます。

動物性食品のビタミンA(レチノール)は、摂りすぎると頭痛・吐き気などの副作用が出ることがあります。

また妊娠中や妊娠前の摂りすぎには問題があり、「脳や心臓に先天性異常のある子供を産む危険性が高くなる」とビタミンA過剰症の心配がされています。

これは通常の食生活に於いては、ほとんど心配はありませんがビタミン剤で大量に摂る時には注意が必要です。
ビタミンAの先駆体であり、プロビタミンAとして知られるものがβ-カロチンで、主にモロヘイヤやほうれん草やなどの緑黄色野菜や人参・カボチャ・トマトなどの橙赤や黄色の野菜や果物にふくまれます。

β-カロチンのビタミンAとしての効力は、レチノールの1/3で体内にはいると、必要な分だけビタミンAとして働き残りはβ-カロチンのままで体内に残ります。

β-カロチンは、細胞の癌化を促進させる活性酸素を抑える働きがあり、癌予防に効果があることで注目されています。
β-カロチンは、摂取して24~48時間経って血中濃度がピーク達します。

β-カロチンは、脂溶性ビタミンなので油を同時に摂取すると吸収がよくなります。


<ビタミンD>

ビタミンDは、骨の形成に関わりが深いカルシウムの働きを調節する脂溶性のビタミンです。 不足することは大人で「骨軟化症」子供では「くる病」の原因となり、また歯を支える骨が弱ったり、閉経後の女性・高齢者には「骨粗鬆症」の心配もでてきます。 体内に入ったビタミンDは肝臓と腎臓で活性型ビタミンDに作り替えられ、カルシウムやリンの吸収を助けカルシウムが骨に沈着するのを助けます。 これは、紫外線によって作られるので日光によく当たることが必要です。 ビタミンDには、植物食品に含まれる「D2」と動物食品に含まれる「D3」があります。

ビタミンDとカルシウムが不足すると、骨がもろくなる「骨粗鬆症」になりますが、それ以外にもカルシウムが血液中に不足すると、各種のホルモンと協力して骨からカルシウムを取り出す働きをしているため、血管へのカルシウム沈着量が多くなり動脈硬化の原因となります。

しかし、大量摂取も血管壁や臓器にカルシウムの沈着を促します。
食品での摂取は必要範囲(数百単位は必要量の範囲)ですが、ビタミン剤の服用などでの数千単位の摂取は過剰とされるので、薬での摂取は安全な範囲にしたいものです。


<ビタミンE>

ビタミンEは、老化を防止するビタミンとして最近注目されている脂溶性ビタミンのひとつです。 強力な抗酸化作用があり活性酸素から体を守り「癌・心筋梗塞・脳卒中」など生活習慣病予防に効果を期待されています。

活性酸素は「フリーラジカル」とも呼ばれ、細胞内での酸素の不完全燃焼で作られた不安定な酸化物です。
この活性酸素が、細胞膜を構成するリン脂質の一員である「不飽和脂肪酸」を酸化させて 「過酸化脂質」を作ってしまいます。

細胞で作られた「過酸化脂質」はどんどん細胞を破壊していきますが、ここにビタミンEがあると過酸化脂質の生成を抑制してくれるのです。

過酸化脂質による害は、癌・動脈硬化・老化促進へと結びつきますのでこれらをビタミンEが防いでくれるわけです。
「ビタミンC」を同時に摂るとこの働きを強めます。

ビタミンEの血中濃度が上がるのは摂取後6~9時間後です。
ビタミンC以外にも、β-カロチン・ビタミンB2・セレンもこの酸化を防止してくる働きがあります。 ビタミンEは脂溶性ビタミンなのですが摂りすぎによる害がありません。


<ビタミンK>

血液凝固因子の合成に働く脂溶性ビタミンで、 緑黄色野菜に含まれる「K1」と微生物による合成から作られる「K2」があります。

「K2」は納豆に多く含まれます。また体内の腸内細菌からも作られます。

ビタミンKはまた骨からカルシウムが溶け出るのを防ぐ働きもします。

不足すると骨に十分なカルシウムが取り込まれず骨がもろくなります。
緑黄色野菜に豊富に含まれ、腸内細菌からも作られるので不足の心配はあまりありません。
血栓症や血液凝固剤を服用している人に摂取量の制限があります。


★水溶性ビタミン

<ビタミンB1>

糖質が分解されエネルギーに変わるとき酵素が働きますが、酵素には補酵素が必要でビタミンB1 はこの補酵素の働きをするビタミンです。

ビタミンB1の不足は、糖質の分解がうまくできず、乳酸などの疲労物質が溜まり疲れやすくなります。
さらに不足が進むと「脚気」の症状がでます。

ビタミンB1 は水溶性のビタミンなので、水に溶けやすく熱によって破壊されやすいので調理によりかなり損失されます。
摂りすぎによる害はみられませんが、貯めておくこともできないので常時必要量の確保が必要となります。

☆「ニンニク」に含まれるB1は 「アリシン」という物質と結合して「アリチアミン」という物質を作ます。
アリチアミンは熱に強く、長く体に留まってB1としての効果を発揮します。ネギ・玉葱・ニラにも同様の物質が含まれます。
糖質を効率よくエネルギーにしていくためには このようなものを一緒に摂ると役立ちます。


<ビタミンB2>

不足すると、眼や粘膜に影響があらわれ口内炎・口角炎になります。
脂質代謝に関係します。糖質の代謝にも関わっています。
脂質の量が多くなると、必要量が多くなります。
皮膚や爪・髪などをつくり、成長を促進させる働きをしています。
また、ビタミンB2は過酸化脂質を分解し生活習慣病予防に役立っています。


<ナイアシン>

糖質・脂質・蛋白質の代謝に不可欠なビタミンで、ビタミン「B3」とも呼ばれる水溶性ビタミンのひとつです。 欠乏症として有名なのは 「ペラグラ」という皮膚病です。 不足すると、舌の先や縁の炎症や食欲不振などの症状がでます。 精神的ストレスが多く、胃腸障害がある場合などはナイアシンをたくさん摂る必要があります。

ナイアシンは、必須アミノ酸のひとつの「トリプトァン」を原料にして体内合成もされます。(トリブトファン60mg から1mg 作られる) このナイアシンの体内での合成の能力は、ビタミンB1・B2・B6が不足すると低下します。 日本では、通常の食事での欠乏はみられません。 ナイアシンはアルコールとも関係があり、アセトアルデヒドを分解し、飲むほどにナイアシンが使われてしまいます。 ナイアシンは、糖尿病と関係が深くインスリンの合成と関係するのですが、ナイアシンの大量摂取が糖質の処理能力を妨げるとも言われています。


<ビタミンB6>

蛋白質の代謝と関係するビタミンです。蛋白質の量がますほど必要量が増します。 蛋白質はいったんアミノ酸に分解され、体内に必要な蛋白質に再合成されますが、この時働くのがビタミンB6 です。

また、脂質代謝にも関係し、リノール酸やリノレン酸を細胞膜に必要なアラキドン酸に変えるはたらきをしています。 それ以外にも、赤血球のヘモグロビンの合成、免疫機能を正常にする(アレルギーの治療薬として使われる)ためなどにも働いています。

腸内細菌によって合成されることもあり、欠乏症の心配は通常の食事ではありません。 インスリン合成に関係するナイアシンを、体の中で作るのにビタミンB6が働きます。

<ビタミンB12>

このビタミンは、体の中でも最も少ないビタミンでコバルト原子を含むため「赤いビタミン」と呼ばれています。 ビタミンB12 は、葉酸と協力して赤血球のヘモグロビンの合成を助け悪性貧血を予防します。 胃を手術した後は、胃から分泌される蛋白質の一種がないとB12 は吸収されないので不足してしまいます。

<葉酸>

ビタミンB12 と協力して造血にはたらく水溶性ビタミンです。
血液は、骨髄の中で活発な細胞分裂によって作られますが、葉酸が不足すると赤血球の出来が悪くなりその結果悪性貧血がおこります。

また腸管粘膜などは、細胞新生が多いのですが葉酸が不足すると細胞が出来ずに潰瘍ができることがあります。
また、葉酸は細胞が新生するところで遺伝子や核酸の合成に働いています。

そのため、妊娠中には必要なビタミンで胎児や乳幼児の成長には欠かせなく、欠乏すると脳神経の形成に異常がでる畏れがでます。

ビタミンCによって活性型に変わるので、ビタミンCと共に摂ると良いのですが、ビタミンCを大量に摂取すると 葉酸の排泄量を増やすためビタミン剤で一日2g 以上ビタミンCを摂っている人は、葉酸の必要量も増えることになります。

<パントテン酸>

パントテン酸はビタミンB5 とも呼ばれるビタミンです。 抗ストレスの働きをするビタミンです。 パントテン酸は、コレステロールとも関係が深く、善玉コレステロールを増やし心臓や血管の病気の予防に役立ちます。

パントテン酸は、ビタミンB6や葉酸と一緒に免疫力強化に働きます。 不足すると風邪やインフルエンザにかかりやすくなります。 腸内細菌によっても合成されます。

<ビオチン>

ビオチンはパントテン酸と一緒に酵素を作り、糖質と脂質の橋渡しをしながらエネルギーを取り出す働きをしています。 また、脂肪酸やコレステロールの代謝・蛋白質の代謝にも作用しています。 ビオチンは腸内細菌によっても合成されています。 生卵を極端にたくさん食べると 卵白の中にアンチビタミンがあって 胃や腸の中で吸収を阻害します。

<コリン>

コリンは血管を拡張させ血圧を下げる「アセチルコリン」の材料となっています。 そのため、コリンを充分に摂ることは 高血圧の予防に繋がります。また、細胞膜を作る レシチンは不飽和脂肪酸とリン脂質とコリンが一緒になって作られています。 コリンは肝臓に脂肪が溜まる脂肪肝を防ぎ肝臓の働きを高めてくる働きもあり、これはコリンから作られるレシチンが脂肪代謝を促進してくれる働きによるものです。

コレステロールを貯めないようにするために動脈硬化の予防にも役立ちます。
コリンやレシチンが不足してくると、神経の働きや細胞の力が衰えて、全身がだるくなる症状がでます。
それ以外にも、コリンは脳の記憶形成を高める働きもします。精神や神経の病気の中には コリンが欠乏して起こる病気もあります。

<ビタミンC>

ビタミンCはコラーゲンの生成に不可欠な水溶性ビタミンで、風邪の予防から癌予防まで注目されています。 コラーゲンは細胞の接着剤として働き、血管・各種器官・筋肉をつくります。 コラーゲンが細胞をしっかり固めると、風邪のウィルスも入り込めません。 また鉄や銅の吸収を助けたり、ヘモグロビンの合成を助けるなどで貧血予防にも働きます。 ビタミンCの不足は、肌の張りをなくし風邪にかかりやすく様々な病気に侵入されやすくなります。

ビタミンCは免疫力を強化し、ウィルスと戦う免疫の主力である白血球の働きを強化する働きもあります。 コラーゲンの生成は、癌予防に役立ち 発ガン物質「ニトロソアミン」の生成を抑えます。 ビタミンCは水溶性ビタミンで、空気や熱によって失われる量が多いので、多目に摂る必要があります。 ストレスの多い人には ビタミンCを多く摂る必要があります。

また、タバコを吸う人は注意が必要で一本吸うことで25mg ものビタミンCが消耗してしまうと言われています。 ビタミンEがフリーラジカル(活性酸素)と結合してビタミンEラジカルになってしまった物質を、もとのビタミンEに戻す働きをして、体内の抗酸化反応を助けているのがビタミンCの役目です。 体内での、血中濃度のピークは摂取後1~2時間でおとずれます。

   ©管理栄養士の健康の泉